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手の痛み

🩺 手・手関節の疾患について

手や手首は、細かな作業や日常生活の動作に欠かせない部位です。
その分、腱や神経、関節などに負担がかかりやすく、痛みやしびれを感じることも少なくありません。
ここでは、代表的な手・手関節の疾患についてご紹介します。


■ ばね指(弾発指)

指を曲げ伸ばしする腱が炎症を起こし、腱の通り道(腱鞘)で引っかかる病気です。
朝のこわばりや、指を伸ばそうとしたときに「カクッ」と引っかかる感覚が特徴です。
ひどくなると、指が曲がったまま伸びなくなることもあります。

治療:軽症では安静や装具、消炎鎮痛薬、注射治療を行います。
症状が強い場合は、腱鞘を切開して腱の動きを滑らかにする小手術で改善します。


■ 手根管症候群

手のひらの付け根にある「手根管」というトンネルで、正中神経が圧迫される病気です。
親指から薬指の半分までのしびれや、夜間の痛み・感覚の鈍さが特徴です。
進行すると、親指の筋肉がやせてボタンを留めにくくなることもあります。

治療:軽症では手首を固定する装具や薬物療法、注射治療を行います。
しびれが強い場合や長引く場合は、神経の圧迫を解除する手術を行います。


■ ド・ケルバン病(狭窄性腱鞘炎)

親指の付け根(手首の親指側)の腱が炎症を起こし、動かすと痛みが出る病気です。
育児中やパソコン・スマホ操作などで悪化することがあります。

治療:安静・装具・湿布・注射などで炎症を抑えます。
改善しない場合は、腱の通り道を広げる手術で痛みを軽減します。


■ ガングリオン

関節や腱の周りにゼリー状の袋(嚢胞)ができる良性のしこりです。
手首や指の付け根などに多く見られ、押すとコリコリとした感触があります。
良性の腫瘍ですが、神経を圧迫して痛みやしびれを生じることもあります。

治療:自然に小さくなることもあります。
痛みや神経圧迫がある場合は、注射で内容を吸い取ったり、再発を防ぐために手術で摘出することもあります。


■ 母指CM関節症(親指の付け根の関節症)

親指の付け根の関節(CM関節)の軟骨がすり減り、物をつまむ動作で痛みが出る病気です。
特に更年期以降の女性に多くみられます。

治療:装具(サポーター)で関節を安定させ、炎症を抑える注射やリハビリを行います。
進行して日常生活に支障がある場合は、手術(関節形成術など)を検討します。


■ 関節リウマチ(手関節・指関節)

免疫の異常により、関節の滑膜に炎症が起こる病気です。
朝のこわばり、手指の腫れや痛み、関節の変形などが特徴です。
放置すると関節が壊れてしまうこともあるため、早期発見・早期治療が大切です。

治療:血液検査や画像検査で診断し、抗リウマチ薬・生物学的製剤などで炎症を抑えます。
関節の破壊が進んだ場合は、再建手術を行うこともあります。


■ リウマチ類縁疾患

関節リウマチに似た症状を示す病気の総称で、全身の炎症や自己免疫の異常が関係しています。
手や手首の関節痛・腫れ・こわばりのほか、皮膚や内臓に症状が現れることもあります。

治療:それぞれの疾患に応じて、ステロイドや免疫抑制薬、生物学的製剤などを用いて炎症をコントロールします。
内科やリウマチ専門医と連携し、全身の管理を行うことが大切です。


■ ヘバーデン結節・ブシャール結節

加齢により、指の関節(第1・第2関節)の軟骨がすり減って変形し、腫れや痛みを生じる病気です。
関節が赤く腫れ、曲がったまま固まることがあります。

治療:保存療法が中心で、温熱療法や装具、鎮痛薬などで痛みを和らげます。
強い変形や痛みが続く場合は、関節固定などの手術を行うこともあります。


■ デュピュイトラン拘縮

手のひらの皮膚の下にある膜(腱膜)が硬くなり、指が徐々に曲がって伸ばせなくなる病気です。
進行がゆっくりで痛みは少ないことが多いですが、放置すると日常生活に支障が出ます。

治療:初期は経過観察、進行例では手術で拘縮した腱膜を切除して指の動きを改善します。


🧭 診断と治療について

当院では、症状や動作の様子を丁寧に確認し、レントゲンや超音波検査で原因を特定します。
手や指の病気は、早期の対応で改善するものが多いため、できるだけ早い段階での受診をおすすめします。
治療は、安静・薬物療法・リハビリ・注射などを中心に、症状に合わせた最適な方法をご提案します。

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